たたみ学

畳の歴史

畳は世界中でどこの国にもない日本にのみ存在する敷物です。

奈良時代には畳の原型である敷物が使用されていたという記述があります。日本の高温多湿をしのぎ易く暮らすために、菰(コモ)とか莚(ムシロ)のようなものが使用されるようになりました。そして平安時代には権力の象徴として貴族の間に邸宅に座具として現在の畳に似たものが置かれるようになりました。

室町時代には武家屋敷に敷き詰められるようになり座具から敷物として住宅の床材として使われました。現在の畳としての形の完成された時代であろうと思われます。そして少しずつ材料などでは改良、変化を重ねながらも江戸時代、明治、大正、昭和と受け継がれほとんど変わることなく今なお日本人に愛され住生活に欠かすことのできない床材として使われています。

少なくとも庶民生活に取り入れられるようになった畳は数百年という歴史を経て今も同じ形で愛され続けるこのようなものは他に類を見ない商品であり日本の誇るべき文化であると思います。

畳のお取り扱い方



  1. ご使用の前に畳表は表面に泥染め加工が施されていますのでその泥を丁寧に拭き取ってください。この泥染めは刈り取った藺(イ)草を乾燥させ、そしてそのままの独特の青さを保持させるためどうしても欠かせる事のできないものであります。当店では納品時には一応お拭き致しておりますがもう一度お使い前に拭き取ってくだい。
  2. 畳と黴(カビ)の問題ですが畳表はナマの有機物です、又その一番の特性は吸湿能力に優れていることですからそのまま放置すれば必ず黴びます。最初は表面にうっすらと青カビが発生しますそして更に放置すれば黄色くなり、やがて黒カビとなってきます。最近の新畳は畳床に藁(ワラ)を使用していませんので畳表により吸湿の負担がかかりますので特にお気を付けてください。
    一番のクレイムは「カビが生えた」と言われることです。多湿期には少なくとも3日に一度は掃除機掛けもしくは乾拭きをお願い致します。新畳納入の2?3年は特にご注意ください。
  3. 畳とダニのこともよく問題になります。藁を使用した畳床は確かにダニの発生に悩まされてきました。ワラとダニの関係は大変難しくはっきりとしません。ワラの中は確かにダニや昆虫には住み心地の良いところで畳の中に寄生することもあります。現在の畳はワラを使用せず断熱材とインシュレーションボードと言われるものの組み合わせで構成されています。従ってその中にはダニも昆虫も住み込む余地はありません。ただ、住環境の中でダニに似た昆虫が畳と床の間に居ることがあります。表面にチャタテムシと呼ばれる昆虫も見受けることがあります。殺虫剤等で駆除して下さい。
  4. 最後に畳の規格につてですが、畳は畳表と畳床の組み合わせによって等級が決められています。官公需の畳は何らかの基準が必要なため、等級で表示されていますが、一般家庭用には使われていません。形骸化した規格とも言えます。JISA5901で検索してください。
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